大綱質疑で質疑を行いました!

本日から3日間、大綱質疑が行われ、私は大阪維新の会堺市議会議員団を代表して大綱質疑を行いました。 テーマは、以下の三つです。


1.堺市の財政状況について 

永藤市長就任前、堺市では「財政は健全である」という発信がなされてきました。しかし、永藤市長就任後、堺市財政危機宣言が発出され、具体的な改革プランである「堺市財政危機脱却プラン」が示されました。 そこで、堺市の財政状況をどう捉えるべきか、という視点からの質疑を行いました。

財政状況を見るためには、
①過去、どのような投資を行ってきたのか、
②現在、堺市の資金繰りはどのような状況なのか、
③将来、どの程度の投資需要があるのか
、という三つの視点を複合的に分析することが欠かせません。 

①堺市では、公共施設の多くが昭和40年~50年代に建設され、その際に発行された市債の多くは償還が完了しています。従って、過去、起債を伴う事業をどの程度行ってきたかを示すストック指標(健全化判断比率)は低い数値(=良好な数値)を示します。 しかしながら、この点を取り上げて、堺市の財政は健全である、という主張は明らかにミスリードです。 

②ところが、平成28年~毎年収支不足に陥り、足りないお金は毎年基金(家庭でいう貯金)を取り崩しながらの財政運営を行ってきました。 さらに、他の政令市と比較して、堺市は市民一人当たりの市税収入が低く、国からの交付金等に依存しています。その一方、市民一人当たりの生活保護率等扶助費の支出が多い構造です。 したがって、堺市の財政は、収入よりも支出のほうが多くなりやすいということを意味します。 

③今後10年~20年後、公共施設の大規模改修や建替えを控えており、新たに起債を伴う事業が増加する予定です。

財政危機か否か、は人によって見方には様々あろうかと思いますが、確実にいえることは、過去に実施した公共事業の際に発行した市債は償還が一定完了しており、健全化判断比率の数値は良好である。しかしながら、近年、住民サービスの拡充等によって支出が拡大傾向にあり、収入で支出を賄えていない状況にあり、基金を取り崩しながらの運営が続いている。今後、大規模改修や建替えで市債を発行しての事業が増加することから、健全化判断比率は悪化する見込みである。

このような財政状況を踏まえた時、堺市としてどうするべきか。現在の赤字体質を抜け出すためには、堺市が単独で実施している独自事業の見直しが必然となるわけです。

2.受益と負担について 

堺市財政危機脱却プランでは、受益と負担の適正化に向けて、お出かけ応援制度の対象開始年齢を現在の65歳から70歳に引き上げる条例案が今議会に提案されています。対象年齢の引き上げについて、議会では否定的な見解が多く示されています。その根拠の多くが、「経済波及効果が高い事業であること」「健康寿命の延伸に繋がっている」「お出かけ応援制度がなくなると公共交通を維持できなくなる」というものです。

しかしながら、①そもそも、経済波及効果は本制度の主目的ではなく、あくまでも副次的効果にとどまるものであること、②本制度が健康寿命の延伸に繋がったなどという効果検証・エビデンスは乏しいこと、③本制度がなくても、約4割の利用者は引き続きバスを使用すると答えており影響は限定的であること、などを踏まえると、開始対象年齢の引き上げに否定的な見解の根拠は薄弱です。

持続可能なまちづくりを実現するためには、受益と負担のリンクを意識した取組みが欠かせません。制度を維持するためには、どのような制度設計とするべきなのか、適切な効果検証はどうあるべきなのか、という視点からの事業評価が欠かせません。

3.堺市の教育政策について 

①小中一貫教育について

今後、人口減少が進展すると、適正規模校の学校数は減少する一方、小規模校と大規模校は増加する見込みであり、学校間格差がますます広まります。このような学習環境を改善するため、堺市では、中学校区を単位とした小中一貫教育の実現に向けた議論が行われております。詳細な制度設計はこれからですが、現場の教職員とも理念の共有が進むよう丁寧な議論を要望しました。

②教科学力(基礎学力)向上について

堺市の全国学力学習状況調査(学力テスト)結果は、毎年、大阪府平均を下回っています(近年、小学校では上昇基調が見えます)。この原因は、苦手な問題や単元をそのままにし、児童生徒や保護者へフィードバックがなされることなく進学した結果であると考えます。 授業を行う⇒テストを受ける⇒間違えた問題を放置せず復習する、という、教員として当たり前のことを当たり前に取組むよう求めました。

③図書館行政について 

堺市の中央図書館は老朽化が進んでいます。永藤市長も自身の任期中に建替計画の策定を表明しています。 近年、図書館の課題として、貸出冊数の減少や市民の半数の方は図書館を利用していない実態が挙げられます。 果たして図書館は社会教育施設としての役割・使命を果たせているのでしょうか? 市民ニーズに応えるためにはどうすればいいのか?民間活用している全国の事例を参考に、柔軟な発想や考えで図書館運営に取り組むよう要望しました。