大綱質疑

本日は、大阪維新の会堺市議会議員団を代表して大綱質疑を行いました。質疑内容は以下の通りです。

1.各種業界団体から提出される要望書について

堺市では、毎年、各種業界団体から様々な要望書が市役所へ提出されます。要望書の中には、多額の予算を伴うため、実現にハードルがあるものもありますが、中にはわずかな知恵と労力で実現できるものもあります。

さて、令和5年度、(一社)堺建設業協会という団体から「まちづくりに関して、堺市・堺市議会・堺商工会議所と意見交換の場を設定いただきたい」との要望が令和5年度に提出されました。

この要望書に対して、堺市は「要望に係る意見交換の場等を通じて皆様のご意見等伺いたい」との回答がなされましたが、1年経過した現在においてもいまだそのような場は設定されておらず、令和7年1月下旬にようやく意見交換の場が設定されるとのことです。

このような後ろ向きの姿勢ではまちづくりは前に進みません。

要望書の提出を単なるセレモニーにするのではなく、有意義な取組とするよう、要望書に記載された内容について真摯に対応を行うよう求めました。

2.教員不足解消に向けた取組について

現在、全国的に学校の先生が不足する傾向にあります。堺市でも、令和6年5月1日時点で11人、11月25日時点で32人の教員不足が発生しています。教員不足の学校については教頭等管理職が授業を行っており、授業ができないという事態は回避しています。

教員不足に対応するべく、堺市教育委員会では採用にあたって様々な広報活動を行っていますが、働き方改革が十分に進んでいない点などが敬遠されるのか、効果は限定的です。

本来、国による予算・人員の増加による対応が求められますが、現状、実現可能性は限りなく低い状況です。

そこで、今ある堺市の資源の中でやり繰りをすることで、教員不足に対応できないか?という視点でのアプローチが欠かせません。

さて、堺市には現在、29校の小規模校(クラス替えができない状況にある学校)が存在しています。

仮に、29校の小規模校の統廃合が完了していた場合、学校数の減少に伴って余裕が生まれた教員を、教員が不足する学校に配置することで、教員不足解消に繋がらないのでしょうか? 

というのも、学校1校の維持管理(水道光熱費や安全管理員の人件費等)には平均年間2,000万円の予算がかかっています。

であるならば、統廃合を行うことで生まれる教員やお金を教員不足対策や教育環境の整備に費やせるのではないでしょうか。

この点、教育委員会も「学校の統廃合が教員不足に一定寄与するものと考える」との認識を示しました。

ところが、この統廃合は「どちらに学校を移すのか」「どちらの自治会が中心を担うのか」という大人の事情でなかなか前に進まないという現実があります。

ここで大事な視点は「子供たちの学習環境を第一に考える」ということです。統廃合によって友達が増え、毎年、クラス替えができる環境整備が何よりも大切ではないでしょうか?

そこで、統廃合を行うにあたって個別具体の事情に左右されないよう明確なルール=統廃合の条例化を求めました。

3.働き方改革について

これまで堺市では教職員の働き方改革を推進してきました。

中学校教員の働き方改革が進まない最大の要因は部活動にあります。

この10年間、子供の数は約2,600人減少していますが、部活動数は8部の減少に伴っています。つまり、時代の変化とともに部活動のあり方そのものが変化していないことが大きな課題です。

堺市の教員は、教育課程内の授業準備や教材研究の時間が十分に確保できていない教員が約7割に上ります。

教育課程内の授業準備を十分に行えていない状況であるにもかかわらず、教育課程外の部活動に多くの時間を割くことは、果たして子供たちのためといえるのでしょうか?

今こそ、部活動のあり方を見直し、教育的意義を明確にするべきです。

4.教育環境の整備について

①学校トイレについて

堺市内の学校には、廊下から内部が丸見えのトイレが多々あります。このような状況を放置することは大きな問題です。今後、教育委員会が主導する形でのトイレの改修を実施するよう求めました。

②教室内の温度管理について

堺市内の多くの学校が建設後30年以上経過しています。このような建物では、断熱材はほとんど入っておらず、窓ガラスも単板のため、近年の猛暑下では空調の効きが悪くなってしまいます。

そこで、来年以降は遮熱カーテンの導入や天井へ断熱材を入れるなどの対応を行うようです。

今後は、校舎の建て替えにあたってパッシブデザインを考慮した取組など教室内の環境に配慮した施設設計を行うよう求めました。

5.受益者負担について

 令和6年度より学校給食費の公会計化が始まりました。公会計化により、給食費の徴収を地方自治体が担うこととなります。

さて、これまで、給食費の未納に対して学校給食協会が督促を行っていましたが、一部債権放棄を行った案件があります。その要因は所在不明とのことです。

そもそも、学校給食は受益者負担の元成り立っている制度です。学校給食費は就学援助の対象となっていますし、日本には生活保護というセーフティーネットが構築されているため、経済的な理由で給食費が払えないという事態は考えられません。

学校給食費の公会計化に伴って、未納者に対しては地方自治体として法的措置も含めた毅然とした対応を行うよう求めました。