委員間討議
本日は予算総括質疑二日目が開催され、終了後、委員間討議が行われました。
委員間討議とは、議員48名が討議テーマに沿って会派の主張を述べ、議論を展開する場です。大阪維新の会から『堺市財政危機宣言解除に至る各会派の考えや、持続可能な財政運営について』というテーマで委員間討議の提案を行いました。
私は大阪維新の会堺市議会議員団を代表して我が会派の主張を行いました。
(1)堺創志会が主張する『大幅に基金が積みあがったのであれば、その分は住民サービスに還元するべき』との主張に対して。
⇒①そもそも、財政調整基金とは、年度間の財源調整に用いられるものであるため、単年度の増減で評価することは出来ず、中長期での視点が必要であること。
②基金の上積みは、交付金の上振れや土地の売却益に起因するものであるが、土地の売却益は公共施設等特別整備基金に積み上げられている。
③公共施設の建設は主に市債を発行して行われるが、市債は世代間の負担を平準化する目的のものである。であるならば、「基金の積み上げは現役世代が不利益を被る」という主張、つまりは、公共施設等特別整備基金に積み上げたものをすぐに切り崩すというのは、本来の趣旨である世代間の負担の平準化に逆行するものであるため、相応しくない。
(2)共産党が主張する『給食の無償化・子ども医療費助成の完全無償化をするべき』との主張に対して。
⇒①堺市の財政において、歳出が約20億円増加すると経常収支比率が1%上昇する(=財政の硬直化が進む)ことから、持続可能な財政運営においては、この数値に気を留めなければならない。
②令和3年度決算において、経常収支比率は大きく低下したが、これは交付税の上振れによって数値が一時的に低下したに過ぎない。仮に、交付税の上振れがなかったとすると、経常収支比率は例年通り100%程度となっていた。
③経常収支比率が100%を超えると、議会が求める『政策的投資』を行えなくなることを意味する。
④共産党が主張する様々な無償化政策を実行すると、経常収支比率は簡単に数パーセント上昇し、政策的投資を行えなくなる100%を超える。このような状況で、共産党の主張は持続可能な財政運営といえるのか。
このほかにも、様々な主張が投げかけられましたが、どの主張にも決定的に欠けていた視点は、フローとストックの関係です。フローとは、毎年の資金繰り(経常収支比率)、ストックとは、基金(家計でいう貯金)のことを意味します。フローが圧迫される、つまり歳出が増加するとそのしわ寄せはストックにきます。その一方、ストックに余力が無くなった場合、フローが上振れしたときに機動的に対応できなくなります。
つまり、フローとストックは密接な関係を有しており、この点を充分に理解していないと、堺創志会や共産党のような主張を展開してしまうわけです。
政治家たるもの、日々の勉強・調査研究が重要であると改めて痛感する機会となりました。