平成30年9月14日-総務財政委員会・委員間討議

【平成30年9月14日-総務財政委員会・委員間討議】

 

堺市における公文書管理について

前議会では、日付を遡って公文書を改ざんした事案について質疑を実施しました。今議会では、前議会から今議会までに堺市として検討した再発防止策について質疑を実施しました。

堺市が策定した再発防止策として①公文書の作成にあたって、原則、遡及(さかのぼり)を認めない ②遡及する場合は、その理由、経過等を記載した理由書を作成すること ③なお、災害等緊急時においては20日以内に限り理由書を作成しなくてもよい、という回答がありました。

日付を遡って公文書を作成したことは問題ですが、根本には、膨大な書類作成業務も影響していると考えます。仕事をする上でミスは発生します。大切なことは、ミスをした時、いかに正直に申告し、ミスを挽回するかにあります。堺市役所職員は、今回の事案を教訓に公文書の重みを再認識し、業務改善、再発防止に努めるよう要請しました。

 

指定管理者制度について

指定管理者制度とは、多様化する住民ニーズに効果的・効率的に対応するべく、公の施設管理を民間企業等に任せる制度です。導入後15年近くが経過し、制度自体の見直しが求められています。

①指定管理期間の柔軟化

現状、施設の多くで指定管理期間が3~5年に設定されています。仮に、利用者の声を踏まえ施設改善を図るべく、指定管理者が施設改修等を実施しようとしても、このような短期間では投資を回収できないため、指定管理者が利用者の声を反映した前向き投資に踏み込めません。今後は、思い切って10年20年という長期の指定管理期間を設定することが、利用者サービス向上に向けた投資を促すことに繋がっていきます。

②指定管理者選定のありかた~栂文化会館を事例に~

減少する文化会館利用者数を補うためには、新たな顧客を取り込む必要があります。文化芸術振興が目的の文化会館であっても、子育てサロンや図書館、カフェの設置など、時代の流れ(住民ニーズの変化)に応じた施設に応えていく必要があります。
堺市各区に存在する文化会館の内、西区以外は全て堺市の外郭団体である堺市文化振興財団(天下り団体)が運営を担っています。多様化する利用者ニーズを前に、果たして、市の外郭団体であり、文化・芸術振興を主目的とする文化振興財団が担えるのか疑問です。
今後は、施設ごとに指定管理者を変え指定管理者同士の横の連携、競争によって利用者サービスを上げていくべきです。

③制度そのものの在り方について再検討の実施

事業評価として、指定管理者による一次評価、担当課による二次評価、外部有識者による三次評価を実施しています。しかし、手続きを踏むことと、中身を精査することは別物です。外部有識者の内訳は会計士や弁護士、行政評価が専門ではない大学教授です。この人選で、個別具体(収支や事業内容)の改善議論は行えますが、指定管理者制度そのものをどうするかという本質の議論は期待できません。今後は、制度自体が抱える課題などを議論する事業評価制度となるよう改善を求めました。

 

委員間討議

委員間討議とは、具体のテーマについて、総務財政委員会所属議員で議論を行うことです。

今回のテーマは『行政評価について』でした。各自治体では、実施する事業について、その事業の効果や収支、課題や改善点などを検証する行政評価(事務事業評価)を実施しています。

堺市が実施する行政評価の課題として、①堺市が実施する約1000事業の内、外部有識者が評価するものは数事業に留まる。②個別具体の事業評価に終始しており、根本の政策評価に反映されていない。③行革推進課という管理部署によって作成された、統一の評価シートに基づき全部署が評価を実施しているが、実施事業によっては統一フォーマットが馴染まないものがある。④事務事業評価シートの作成そのものに目的が置かれ、本来の政策への反映という目的が失われ、制度が形骸化している、という点を指摘しました。

かかる指摘を踏まえ、今後、行政評価手法の改善を堺市へ提案しました。